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CHJ

2021.08

更新日:2021年8月30日

【英語論文】

Google Trends and reality: Do the proportions match?: Appraising the informational value of online search behavior: Evidence from Swiss tourism regions

BorissSiliverstovs Daniel S.Wochner

Journal of Economic Behavior & Organization

Volume 145, January 2018, Pages 1-23


この調査では、実際の経済活動がGoogle検索でのオンライン検索行動の総計にどの程度反映されているかを調べます。以前の調査とは対照的に、縦方向の次元に沿って検索クエリを調べるときに潜在的な誤測定の問題が発生する可能性があるため、Googleデータに具体化された縦方向の情報コンテンツの代わりに断面を活用する代替の調査アプローチを適用します。さらに、これまでの調査では1つのGoogleトレンドシリーズを調査することがほとんどでしたが、分析は60を超える個別のシリーズに基づいており、各シリーズ内だけでなく、シリーズ間でもデータがどれほど有益であるかを評価できます。最後に、Googleトレンドのインデックスは、最近リリースされたGoogleナレッジグラフテクノロジーに基づいており、関連する検索クエリの量を非常に正確に測定できます。 Mincer-Zarnowitzタイプの回帰モデルでの偏りと効率の考慮事項に基づいて、データの情報価値を強い、半強い、または弱いとして評価します。ここでは、(スイスの)観光需要の文脈が特に有用であることがわかり、検索ベースの観光需要予測は、平均して、現実の非常に正確な近似であることがわかります。これは、検索ベースの指標が経済政策のガイダンスのための貴重なリアルタイムの補足として役立つ可能性があることを示しています。

過去10年間にデジタル革命によって発表された膨大な量と多様なデータは、経済学者に経済行動を研究するための新しい、より正確で、よりタイムリーな手段を提供します(Einav and Levin、2014)。政策立案者と研究者は最近、(マクロ)経済変数の短期予測のためのオンライン検索行動に含まれる予測値への関心の高まりを示しています。情報収集活動が将来の意図と決定を正確に予測する場合、オンライン検索行動は実際の経済活動の先行指標として機能し、したがって経済政策を導く可能性があります。検索ベースのデータには、従来の調査に比べてコスト、可用性、頻度の点で明らかな利点がありますが、その正確性は依然として精査されています。インターネット検索エンジンのデータを使用して予測する最近の試み(既存のベンチマークモデルを超えるマクロ経済変数は一般的に成功していることが証明されています。インフルエンザの流行やインフルエンザの傾向の予測を含むアプリケーションで、このアイデアを裏付ける証拠が増えていることが文献で示されています

以前の研究は主に到着数または観光支出(領収書)のレベルのいずれかによって観光需要を測定していましたが、最近の研究では観光需要の代用として宿泊(ONS)を採用しています(Song et al。、2012)。私たちは主に後者の測定値を使用します。ONSは滞在期間の最も正確な測定値であるように見えます。これは、オンライン検索の動作に最も強く関連していると予想されます。ここでは、滞在期間が長いほど、個人がオンライン検索をより集中的に追求することを期待しています。堅牢性チェックとして、後で分析を到着数に拡張します。

関連する時系列データは、2つの主要なデータソースから取得されます。スイス連邦統計局(SFSO)は、スイスのホテル、港、およびホステルの1か月あたりのONSの絶対数の時系列を、ソース国ごとに分類した14の異なる観光地域(TR)で提供しています。


 旅行、観光にとって情報収集は今や欠かせないものとなっている。また、近年では個人の娯楽、楽しみとして行われるはずの旅行に行くことでさえ、世間の目を気にする事態となってしまった。そこには今までになかったモラルが生まれ、情報発信媒体の使い方、使われ方が変わってしまった。また、アマゾンCEOのジョフ・ベゾス氏が宇宙旅行に行った際も地球に帰ってこなくていいなどの否定的な意見も散見された。先述の通り個人の娯楽、非日常を楽しむためにあった旅行も個人だけに基づく意思決定ではなくなってきているのだろう。


【日本語論文】


インドネシア・バリ島におけるグローバル・ツーリズム下での 移住者の増加と伝統的生活様式の解体

著者:永野由紀子


(要約)

本稿では、バリ島におけるツーリズムの影響を分析している。ツーリズムは、就労機会を創出し、プモガン村に急速な人口増をもたらした。こうしたなかで、水田の宅地化が進み、土地の価格が急増している。本稿のもとになった現地調査からは、こうした変化が、土地所有者である自作農と小作農とで、全く異なる効果を及ぼしていることが明らかにされた。地価の上昇は、土地所有者にとっては、貸間や賃貸アパートの経営、道路沿いの飲食店や各種の店舗の賃貸や経営等、利殖の機会を得ることにつながる。だが、スバックのメンバーの圧倒的多数を占める小作人にとっては、農地の宅地化は、失業を意味する。なかでも、専業の小作農にとって、事態は一層深刻である。バリ人は農業を嫌って農地を手放しているという一般的な言説のなかで、専業の小作農の窮状は、必ずしも農業をやりたくないからではなく、農業をやりたくてもできない状況が生じていることを語っている。


(感想)

ツーリズムはいいことばかりではないことを知った。ツーリズムはいいこともあるかもしれないが、周りの環境の整備が整っている必要がある。農業はバリ島に住んでいる人にとって稼ぎ柱である。しかし、ツーリズムによって仕事が増えるかもしれないが、農業に従事することができないことのリスクが大きいと考える。そのため、バリ島に住んでいる人の生活も考えるツーリズムを進めていくべきであると思う。さらに、自作農と小作農では影響が違うため、より多くの人が利益を得ることができるようなツーリズムを達成する必要がある。


【書籍】

(要約)

300の民族集団から構成されるインドネシアは、混沌を統御するため暴力と暴力がぶつかり合ってきた。第二次世界大戦後の独立時に起因する問題が6人の大統領の時代を経てどう変質し今に至っているかを、丁寧にリポートされている。


(感想)

300の民族、200の言語、宗教の違い、紛争、軍部の暴走、通貨危機、汚職、賄賂、貧困、津波など、想像以上に大変なことがいっぱいで、日本人には想像しずらい困難な状況が展開されていることが分かりました。その中でもASEANでの政治的な綱引きや、国連で「常任理事国」入りを本気で考えていたり、要所では国として主張すべきことを主張されていました。そこには、アメリカにも遠慮せずに、自分たちの国のためにまっすぐな姿勢がありました。そのような部分は日本も見習うべきだと考えました。


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