2022.08
更新日:2022年9月20日
・日本語論文
岡野ら(2019)「観光地への愛着に与える滞在中の経験」日本観光研究学会機関誌Vol. 30 / No. 1
《要旨》
日本の人口は2008年をピークに減少傾向にある。観光客も1990年までは上昇傾向だったが、それ以降は停滞している。観光客誘致のためには初めての来訪者を増加させることはもちろんのこと、再訪者を増加させることが重要になってくる。本稿は、場所への愛着に着目した。観光地での体験が観光地に対する愛着を形成すると想定しアンケートを実施した。結果、現地の友人、かけがえのない体験が場所愛着に正の影響を及ぼした。
《感想》
観光地に誘致するには、場所に対する愛着を育む必要を学んだ。自然や風景以外にも、観光地で関わった人柄も場所に対する愛着に含まれると感じた。
・英語論文
INVESTIGATING PUSH AND PULL FACTORS OF TOURISTS VISITING BALI AS A WORLD TOURISM DESTINATION
INTERNATIONAL JOURNAL OF MULTIDISCIPLINARY EDUCATIONAL RESEARCH ISSN: 2277-7881; IMPACT FACTOR – 6.014; IC VALUE:5.16; ISI VALUE:2.286 VOLUME 8, ISSUE 8(7), AUGUST 2019
《要旨》
世界的な観光地であるバリ島を訪れる観光客の動機について調査する。特に、バリ島で休暇を過ごす観光客のプッシュとプルの要因から探った。データは、バドゥン、タバナン、ブレレン、カランガスの5つの県で実施された調査から収集された。調査対象者は、英語を話すを選択した127人の英語圏の観光客が対象。アンケート用紙に記入するための英語を理解し、ちょうど選択された観光対象を訪問した経験があることを確認した。バリ島を訪れる観光客はプッシュ型とプル型の動機によるものであることがわかった。プッシュ要因としては、日常生活から抜け出したい、地元の文化に触れたいという意図が最も重要であり、一方、バリ島の豊かな自然や文化的資源は、観光客を惹きつけている。バリ島の豊かな自然や文化的資源に惹かれ、バリ島に旅行するようになった。
《感想》
やはり旅には非日常が求められる。しかし、非日常も続けばやがて日常へと変化する。
日常の中に非日常として娯楽があるから楽しいと思えるのだと思う。
・書籍
書籍名:『SDGsと環境教育 地球資源制約の視座と持続可能な開発目標のための学び』
著者:佐藤真久(編著)、田代直幸(編著)、蟹江憲史(編著)
《要旨》
SDGsの17の目標の中には、環境問題を直接対象としたものが存在する。例えば、目標6(安全な水とトイレを世界中に)や目標14(海の豊かさを守ろう)、目標15(陸の豊かさも守ろう)などが挙げられている。そのため、環境教育を考えるうえでSDGsは無視できない存在となっていった。
そこで、本書では、地球資源制約や自然生存権、生命地域などを取り扱うことにより、持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを環境の面から掘り下げ、SDGsにおける環境教育的な視座を提供している。
《感想》
私の感想としては、私はバリ島の環境問題に少し興味があり、環境問題について色々と調べていく中で、「環境教育」や「SDGs」という言葉は知っていたが、SDGsと環境教育の関連性やSDGsにおける環境教育的な視点は考えたことが無かったので、非常に新鮮な気持ちで読むことができ、とても面白かった。
また、本書を読んで「今後の環境教育の在り方」について考える機会が増えた。
日本において、環境教育は小学校や中学校で学習することが多いと思われる。実際私も、小学生や中学生の時に環境教育を学んだと記憶している。しかし、環境教育がそのまま環境保全などに影響しているかと聞かれると少し怪しいと感じる。知識として学ぶことといざ実践することは大きく違う。現に、環境には良くないと必ず習っているのも関わらず、ポイ捨てしている人は一定数存在し、周りの人たちは行動するわけでもなくスルーしていく。こういったこともあり、本書を読み、今後環境教育はどうなっていくのだろうかと考えるようになった。
果たしてどうなるのだろうか。今後が少し楽しみだ。
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