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CHJ

2021.10

更新日:2021年11月2日


【英語論文】


Islam, S. M. Nazrul(2012)

Tourism marketing in developing countries: a study of Bangladesh

University of Strathclyde


*要約*

観光は先進国と開発途上国の両方に外国人観光客を大量に流入させるサービス分野の一部門である。 バングラデシュは独特の魅力で国際観光客にとって重要な目的地となりうる発展途上国の一例である。 観光を成功させるためには、バングラデシュはマーケティングと広報活動を活用し、観光開発の機会を活用しなければならない。本研究の目的は、バングラデシュにおける観光マーケティングの課題と課題を分析することであり、この実践の有効性を評価することである。この研究はバングラデシュの観光部門による観光マーケティング活動の問題点と限界を明らかにした。


*感想*

 開発途上国の観光マーケティングという点ですごく斬新だなと感じた。バリ島は有名な観光地ではあるが、コロナの以前は外国人観光客によるゴミ問題があり、バリ島の貧困な人はずっと貧困なまま観光客がタクシーを乗っていたら集まってきて物乞いをするなど。意外とバリ島には観光的にも社会的にも様々な課題を抱えている。しかし、観光業はバリ島にとってかなり高い収入源であるためでもバリ島にやさしい観光マーケティングと共に貧困な人たちを支援し、観光客に不愉快な気分にさせないように工夫しなければならない。そのためでも、この論文からバングラデッシュ事例を考え、その上に環境や人を配慮したマーケティングを行うべきだと考えられる。


【日本語論文】


地域開発における伝統的緑地(テラジャカン)の役割

ーバリ島プンリプラン観光村の事例ー

菱山宏輔・加藤禎久(2020)


*要約*

 この論文では、バリ島の南部地域に非常に多く見られる伝統的緑地である「テラジャカン」における地域の役割であったり、観光客に対する影響、地域活性化などを様々な角度から研究し、考察している。バリ島における「テラジャカン」は、各家屋敷を囲む壁の外側、道路に面した敷地に作られており、通行者の司会に入り、誰しもが利用・アクセス可能であるので、公共的でもあるという点で、多元的であるので、昔から観光業に強く影響を与えてきた。

 しかしながら、バリ島の方針として都市部の発展が急激に加速し、「テラジャカン」の魅力はだんだん失われつつあった。このように、市場化と私化のなかで機能的に変容しながらも、「テラジャカン」は維持されている。この部分に注目に、この論文では、「テラジャカン」が地域開発のなかでより積極的かつ集合的に用いられている事例に着目し、様々な理由と観点から、『プンリプラン村』と呼ばれるバリ島の村を選出し、インタビュー調査を通してその役割と特徴を明らかにしている。

 近年では、「テラジャカン」の一斉植栽であったり、その地域だけでの限定商品などを作成したりして、観光業を発展させている。しかしながら、もちろん解決しなければいけない課題も非常に多く残っている。その課題を解決するのが、今後必要になってくる。


*感想*

 私はこの論文を読んで、観光地における地域活性化の難しさ、非常に多く残っている課題における解決策の考察の難しさなどを感じた。バリ島における「テラジャカン」の役割は、外面的に考察すると、観光客に対して非常に魅力的に働いていると私は感じた。しかしながら、生活の近代化のなかで家屋敷をより大きくしたり、自動車用の出入り口を設けたりする課程においてそのスペースが削られたり、「テラジャカン」における審美的な機能のみが残されるようになり、地域住民は苦労していると思う。その限られた中で、この論文に出てきたプンリプランの観光村での取り組みであったり、観光客を引き付ける商品開発などの工夫というのは、私は非常に感銘を受けた。

 また、プンリプラン村で行った研究手法も、私にとっては非常に興味深くなおかつ、プンリプラン村を選んだ理由というのも非常に面白かった。その理由としては、インタビューという斬新な研究方法であり、調査員が注目する観点というのが、非常に面白いからである。私にはまだ未知であり、研究方法とかも全く分からないので、そこが逆に新たな発見に繋がり、面白いと感じたのかもしれない。

 最後に、「テラジャカン」の良さを観光客に伝えるために、地域住民が行っている活動は非常に素晴らしいと思う。しかしながら、地域活性化するために必要な課題というのも少なからず存在する。だからこそ、これからどのように解決していくのか、非常に楽しみなので、これから「テラジャカン」の自然を応援していきたいと思う。


【書籍】

観光再生―サステナブルな地域をつくる 28のキーワード』


要約

新型コロナウイルスによって、あらゆる業界が影響を受けた。その中でも、観光業はかなり大きな打撃を受けた。国内旅行は少しずつ回復しつつあるが、海外からのインバウンド市場は先が見通せない状況が続いている。本書では、こうしたコロナ禍で変化する観光のかたちとその対応を28のキーワードから解説している。

本書で解説されるキーワードは、「サステナブル・ツーリズム」「観光型MaaS」「バーチャル」「食の多様化」「高付加価値化」など多岐にわたるが、それらに通底するのが「サステナブル」(持続可能性)という概念である。つまり「環境」「社会」「経済」において持続可能な観光を目指す方向性が加速するということである。

近年、SDGs(持続可能な開発目標)としても近年、国際的な潮流となっている「持続可能性」であるが、地方創生とも密接にかかわり、業界を問わず今後の事業・商品戦略やマーケティングのヒントが隠されている。


感想

2021年以降の観光トレンドは、

「アフターインスタ映え」

「食の多様化とエコ」

「アドベンチャー・ツーリズム」

「ロングステイヤー/ワーケーション」

「レスポンシブル・ツーリズム」

というように、インスタ映えブームから、持続可能性や健康を追求した「食の多様性」に注目が移るということが意外でした。

そうなるのであれば、バリ島の食文化などについて学び、活かし方を考える必要があると考えました。

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