top of page
CHJ

2021.6

更新日:2021年7月1日

<日本語論文>

フィルム・ツーリズムに関するー考察

ー「観光地イメージ」の構築と観光経験をめぐってー 中 谷 哲 弥


観光における訪問地の選択にはそれぞれの観光地が持つイメージが重要となってくる。

観光地にはそれぞれ特徴的なイメージが付随していて、観光に訪れようとする人々が大きな影響力を持つ。またそれにはメディアの影響が大きい。また、メディア以外にも映画やテレビドラマなとにおいて取り上げられることも観光地のイメージの構築に影響を与える。

近年各地でフィルム・コミッションの設立が相次いでいるのには、以上の理由が挙げられる。

個人的には近年よく見る聖地巡礼がこの一種に当たるのではないかと考える。

フィルム・ツーリズムにおいて、単なる観光地プロモーションのための宣伝媒体とは異なり、映画等はそれ自体が自律的なメディアであるという特性によって、フィルムによって表象される特定観光地のイメージは、従来のイメージが強化されることもあれば、大きく転換される可能性もあることを指摘している。


<英語論文>

Yuniti, I. G. A. D., Sasmita, N., Komara, L. L., Purba, J. H., & Pandawani, N. P. (2020). The impact of covid-19 on community life in the province of Bali, Indonesia. International Journal of Psychosocial Rehabilitation, 24(10).


・概要

2020年における新型コロナウイルス(Covid-19)の世界的な大流行によって、人々の生活は激変する形となった。ロックダウンや外出自粛の影響により、観光業は大きなダメージを受けることになった。これにより、インドネシアのバリ島のように観光業で経済が成り立っている地域は深刻な影響を被った。バリ島では96%のホテルが一時的に閉鎖され、多くの解雇者が出ることになりました。本研究では観光業に従事する人々を対象としています。15歳から60歳までの1500人の対象の中から、10%にあたる150人をサンプルとしている。バリ島では、インフォーマルな労働者が労働者の80%を占め、その多くが解雇され失業者となっています。また、95%の人々が今までの生活の維持に変化を感じているという結果も得られています。家計においても、食品の価格が上昇することになり、消費を圧迫するようになった。健康面においては、感染症の流行により医療サービスへのアクセスが困難になるという予想もあったが、比較的に困難さは高まっていないという傾向にあった。ただ、不安やストレスを感じることは多くあった。また、環境面においては、以前よりも森林、水の点で綺麗さを保たれていることが明らかだった。


・感想

バリ島は観光業が経済の中心であり、重要である。それが今回の新型コロナウイルスの流行によって、人々が移動を自粛するようになり、旅行をしなくなった。そのようなことから観光業は大ダメージを受けている。これにより、多くのインフォーマルな労働者が解雇されてしまうことになったというのは非常に大変の状況だと思う。しかし、それほどにインドネシアのバリ島が観光業に依存しているというのが分かる。またそれと同時に人々が訪れなくなったせいで、環境面も少し良くなっているというのも事実としてある。これらのことから、私たち観光客がバリ島に観光に訪れた際に現地のことを考えず、自分勝手な行動をして環境的に問題を起こしてしまっていたというのも事実として突き付けられてしまったように思える。このような状況を旅行業が回復した後にも保てるように観光者のより一層の意識改善が求められるだろう。




<書籍>

中井治郎(2020)、「観光は滅びない 99.9%減からの復活が京都からはじまる」


・概要

 2020年、未曽有の疫病禍により観光都市・京都から

観光客が消えた。オーバーツーリズムから一転、

ゼロからの観光復活を模索するわれわれは、いまこそ「観光立国」の本質を問い直すことになるーー。

本書は、新型コロナウイルス禍で浮き彫りとなった観光産業の諸問題を分析しつつ、起死回生の「スイてます嵐山」キャンペーンなど京都観光・最前線の動きから、世界がまだ見ぬ「新しい観光」の形を探し出す。数多の観光都市よ、いまこそ京都に続けーー!


・感想

 「観光は本当に滅ばない安定的な事業なのか。」

日本はコロナの前、観光に多く投資していた。

しかし、現在コロナにより訪日観光客が0になり、

問題として考えられる。コロナの以前では、観光による様々な問題(主にオーバーツーリズム)をどう解決するかなどを考えていた。京都府の

場合、観光客を減らそうとする政策も行ったほど問題を抱えていたが、コロナがまだ続いている今は、市民生活や文化、そしてスーベニアショップの崩壊などが問題とされている。この本を通して、「観光の在り方」や今後目指すべきの観光とは何かかんがえるきっかけとなり、このポストコロナの時代の中でできる観光政策を行う方法は何か考察するようになった。

閲覧数:19回0件のコメント

最新記事

すべて表示

2022.08

・日本語論文 岡野ら(2019)「観光地への愛着に与える滞在中の経験」日本観光研究学会機関誌Vol. 30 / No. 1 《要旨》 日本の人口は2008年をピークに減少傾向にある。観光客も1990年までは上昇傾向だったが、それ以降は停滞している。観光客誘致のためには初めて...

2022.07

[書籍] 村岡慶輔(2021)”観光再生-サステイナブルな地域をつくる28のキーワード-” ・要旨 移動制限や、訪日観光客が99%減少した日本の観光業がこれからどのような観光スタイルを貫くのか。観光再生するためのヒントや実例が事細かに説明され紹介されている。DX化を進める観...

2022.6

【書籍】 みなかみイノベーション ー群馬県みなかみ町に見る中山間地の地域創生ー】 著者:鈴木誠二 2017年10月発行 〈要約〉 本書は、著者が群馬県みなかみ町で取り組んだ「地域イノベーション」(題して「みなかみイノベーション」)について書かれている。「みなかみイノベーショ...

Comments


bottom of page