2021・03
更新日:2021年3月20日
日本語論文
「訪日外国人旅行者の個人行動データを用いた訪問地および観光活動に着目した観光行動分析」
土木学会論文集D3(土木計画学) 2016 年 72 巻 5 号 p. I_533-I_546
松井 祐樹, 日比野 直彦, 森地 茂, 家田 仁
〈要約・感想〉
本研究は,訪日外国人消費動向調査の個票データを用いて訪問地傾向と観光活動を組合せて分析し,個人属性による差や時系列変化を定量的に示している。インバウンド観光は,今後の日本にとって重要な役割を担う。近年では、台湾、韓国、中国からの訪日外国人旅行者に加えて、東南アジア諸国からの旅行者も急増している。観光行動の多様化が進む中、ニーズを十分に捉えた観光政策が求められているが、しかしながら、彼らがどのような地域を訪問し,どのような観光活動を好むかを観光統計データに基づき複合的かつ定量的に分析された研究はこれまでには存在しない。分析結果より,訪問地傾向と観光活動を組合せて分析することの重要性を示している。また、近年増加する個人旅行者は、都市部を中心に多様な観光活動をする傾向にあることを明らかにしている。本論文は観光客がどのような地域に訪れるのかを示している。それにより、観光の政策の効用を最大化するために都市部に政策を施すことが最良と考える。現在はコロナ禍で観光客が大幅に減少している。しかし、今こそインバウンド観光客が来るのに備える必要があると感じた。
日本語書籍
<要約・感想>
演出された「楽園」:バリ島の光と影 (2000.11) 新曜社
世界屈指のリゾート地、バリ島。バリと聞いて皆さんは何を想像するだろうか。青く透明で綺麗な海、真っ青な空、エキゾチックな舞踊と儀礼といったイメージだろうか。私もそう思っていた。しかし、一昔前には、蛮行や狂気がこの島の象徴とされていた。オランダ支配のもと、ヨーロッパの冒険家、商人、植民地官僚、学者、宣教師、そしてバリの諸王家、芸術家、カーストの底辺に位置する人々。彼らの衝突と交流を互いの文化イメージの拮抗として取り上げながら、今の楽園バリ島が完成するまでの軌跡をたどる。西洋文化の植民地化するために流したプロパガンダとバリ島で起きた事実を歴史的に対比しながら、現在のバリ文化を見ると、楽園と呼ばれるバリ島を少し離れた視点から客観的に見ることが出来た。
英語論文
Role of Tourism in Economy of Bali and Indonesia
Journal of Tourism and Hospitality Management December 2017, Vol. 5,
〈要約・感想〉
バリ島やインドネシアの経済に対する観光の役割は、観光客の増加から伺える。調査結果によると、観光業が貿易、ホテル、飲食業に代表される場合、バリ島経済に対する観光寄与度は2010年27.82%、2014年31.35%となっている。 第三次産業(サービス産業)に代表される観光業の経済への寄与度を見ると、2010年は65.28%、2014年は68.28%となっている。 観光業は貿易、ホテル、飲食業であり、2010 年には571,274 人(26.24%)、2014 年には628,585 人(27.64%)となっている。 第3 次産業を観光とすると、2010 年には104 万 6,530 人(48.96%)であり、2014 年には117 万 8,201 人(51.81%)となっている。2015 年にインドネシアを訪れる外国人観光客の36%が直接バリ島を訪れるなど、バリ島観光の国家観光への貢献は重要である。 これは、バリ島の観光地がインドネシア政府の主要な外貨の源泉である可能性を示している。 このため、インドネシア政府は現在、観光業が農産物や石油·ガスの輸出による外貨補完の源となることを強く期待している。これらの結果から、私たちもバリの発展に貢献するためには、バリの観光地の魅力などを発信していく必要があると感じた。
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