top of page
  • CHJ

2022 5

オーバーツーリズム: 観光に消費されないまちのつくり方

高坂晶子(2020)

要約

「旅行者の満足」と「地域の利益」は両立できるのか。集中する観光客のもたらす混雑や騒音、地価高騰等の地域へのダメージをもたらすオーバーツーリズムの解決策を国内外の先進事例から解説している。国内外で発生している要因、実態、対策を多数の事例から解説し、ソーシャルメディアの影響やICT・AIの活用など新しい動きも紹介している。そして、旅行者の満足度を高め、地域が観光の利益を実感できるまちのつくり方を探っている本である。


感想

観光による収入と住民のバランスは非常に難しい。しかし、どちらもが快適だと思える環境作りを考えないといけないと改めて感じた。コロナウイルスの影響で観光業は大打撃を受けたが、反対に住民は以前の静けさを取り戻すことができた。コロナが収まりつつある今、また住民はオーバーツーリズムに悩まされる日が続くであろう。観光客の増加に伴って新しく出来た宿泊施設や飲食店は、地元外の資本が多く、地元らしさを失った観光地は、観光客にとって意味があるものなのだろうか。観光地であるバリ島に行く日が近づくにつれ、バリ島では現在観光地、観光業はどんな風になっているのか気になった。観光客が急増し、混雑や騒音、地価高騰といったダメージをもたらすオーバーツーリズム。人気観光地に暮らす住民にとってはとても迷惑だし、いつになったら緩和されるのだろうと引越しを考える人もいるであろう。「観光公害」と訳されることもある世界的な問題。結局は地元の人の暮らしを保つのが前提としてあるのではないか。それを考慮して、観光業も観光客も行動や考えを改めなければいけないと感じた。


閲覧数:7回0件のコメント

最新記事

すべて表示

2022.08

・日本語論文 岡野ら(2019)「観光地への愛着に与える滞在中の経験」日本観光研究学会機関誌Vol. 30 / No. 1 《要旨》 日本の人口は2008年をピークに減少傾向にある。観光客も1990年までは上昇傾向だったが、それ以降は停滞している。観光客誘致のためには初めての来訪者を増加させることはもちろんのこと、再訪者を増加させることが重要になってくる。本稿は、場所への愛着に着目した。観光地での

2022.07

[書籍] 村岡慶輔(2021)”観光再生-サステイナブルな地域をつくる28のキーワード-” ・要旨 移動制限や、訪日観光客が99%減少した日本の観光業がこれからどのような観光スタイルを貫くのか。観光再生するためのヒントや実例が事細かに説明され紹介されている。DX化を進める観光地に観光客が求めているものとは何なのか。 ・感想 新型コロナウイルスによって大きな影響を受けた観光業を今後どのように立て直し

2022.6

【書籍】 みなかみイノベーション ー群馬県みなかみ町に見る中山間地の地域創生ー】 著者:鈴木誠二 2017年10月発行 〈要約〉 本書は、著者が群馬県みなかみ町で取り組んだ「地域イノベーション」(題して「みなかみイノベーション」)について書かれている。「みなかみイノベーション」とは、「明日の日本を支える観光ビジョン」で示される「農泊」の施策が、たしかな「成果」として実現したものである。 〈感想〉

bottom of page