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2019・12

<日本語論文>

観光地と歓待ー神田孝治(2015)

歓待については、神の歓待と結びついた「無条件の歓待」、現実社会で実際に執り行われる「条件付きの歓待」、そして主にサービス産業で用いられる「ビジネス用語としての歓待」がこれまで注目され、それぞれの特徴が検討されてきた。本研究では、これらの観点を基にしながら、観光地と歓待の関係性について、鹿児島県の南端に位置する与論島を事例として検討した。その結果、与論島では、1970年代に「自由」や「恋愛」のイメージが関連する無条件の歓待が観光客に期待されたが、かかるイメージやそれに伴う観光客の実践が地元住民の反発を招き条件付きの歓待が求められるようになったこと、そうした中で、祖先崇拝と関連した強制的な飲酒習慣を再構成した与論献奉と呼ばれる観光客の歓待儀礼が創造されたことが明らかになった。また、管見の限りこれまでの議論にはない新しい歓待の姿として、映画「めがね」においてサービスとしてのそれとは異なる自由な歓待が提起され、それが新しいタイプの観光客を集めていることや、観光客の歓待には観光客自体が深く関与しており、特に近年では地元住民と連携しつつかかる活動に中心的な役割を果たしていることも確認された。

<英語論文>

ーThe antecedents of memorable tourism experiences: The development of a scale to measure the destination attributes associated with memorable ー(2014)

記憶に残る観光体験(MTE)を訪問者に提供することは、競争の激しい観光市場で成功を収めるために重要です。宛先マネージャーをサポートするために、このペーパーでは、

MTEに関連付けられた宛先の属性を概念化するスケール計測器を開発しました。厳密なスケール開発手順に従って、この研究はMTEに影響を与える10次元構造を識別しました。データは、MTEに影響する宛先の属性のこの次元構造と、スケールの内部整合性および有効性(つまり、内容、構成、収束、および判別)をサポートします。研究結果の理論的および管理的意味合いが議論されています。

<書籍>

ー オーバーツーリズム 観光に消費されないまちのつくり方 』ー高坂晶子(2020)

観光客が集中し、混雑や騒音、地価高騰、地域資源の破壊といったダメージをもたらすオーバーツーリズム。国内外で発生している要因、実態、対策を多数の事例から解説し、ソーシャルメディアの影響やICT・AIの活用など新しい動きも紹介。旅行者の満足度を高め、地域が観光の利益を実感できるまちのつくり方を探っている。

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