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CHJ

2019・7

<日本語論文>

観光地理学の研究視点:ジオパークと景観との関連ー(2019)

観光地理学の研究視点がGeoparkに対してどこまで展開されているか分析し,また,Geopark研究に活かせる方向性も検討している。海外学術雑誌データーベースでGeoparkとtourismを検索すると,数多くの論文が見当たるが,その両方をタイトルに含める論文は53本に留まる。その多くは,学会報告や地学関係の雑誌で発表され,観光関連の学術雑誌に投稿されているものは2件のみである。全体的にGeoparkに関する論文の内容を分析すると,ジオ遺産の記述や地学的な評価に偏り,観光の対象としてさえ認識されていないことが分かる。しかし観光は複雑な関係と複数のレベルで展開される過程から生まれる現象である。観光地理学の中では「景観」も「スケープ」を成す物,人や情報の流れ,イメージ,アイデンティティーなどから複数のステークホルダーにより構築されるとされている。Geoparkは景観の一種として捉えることも可能であるなら,観光地理学で広がってきた研究視点をそれに適用し,研究者も地域住民も総合関係をもちながらその景観を作り上げる担い手として解釈できる。

<英語論文>

ーFraming makes tourists more environmentally conservative Author links open overlay panelーMolly Chien-JungHuang(2016)

フレーミングは様々な力を持っています。フレーミングを通じて、環境に配慮した行動を促すことができます。フレーミングと環境アイデンティティの脅威は、観光客の行動意図を和らげます。環境問題による行動の違いは、フレーミングによって軽減できます。この緩和策は、環境アイデンティティの脅威によって破壊される可能性があります。

<書籍>

ー地域引力を生み出す 観光ブランドの教科書 ー岩崎邦彦(2019)

来て下さい」よりも、「行ってみたい」に。「誘致・誘客」から「引力ある地域の創造」へ。インバウンド―辺倒でなく、日本人客重視を。というテーマで持続可能な観光への条件を明らかにする。今日、全国各地で観光による地域振興への機運が高まり、顧客争奪戦が激しくなる中、観光ブランド・地域ブランドへの関心が高まっている。これまでの観光マーケティングは、「ぜひ、来てください」という誘致型のプロモーションが主流だった。

本書では「ぜひ、行きたい」とお客さんを引きつけ、地域の魅力を高めるにはどうすべきかを提示する。強いブランドには“引力"がある。京都に来る観光客は、誘致されたからではなく、京都に引きつけられたからやって来る。本書では、地域が観光客を引きつける力を「地域引力」と表現し、いかに「地域引力」を向上させるか、どうすれば強いブランドが生まれるのかを内外の消費者調査をもとに分析されている。

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