2019・9
<日本語論文>
ーインバウンド観光ビジネスエコシステムの形成ー柏木千春(2020)
ハワイでは,誰が,いかにして,日本市場向けの観光ビジネスエコシステムを形成していったのか。本論文では,この問いに応えるために,国際的なツアーオペレーターであるJTBハワイの行動に着目し,観光地経営の視座に立った事例研究を試みる。日本企業が,時代の変化に適応しながら,各種の観光関連事業者や地域コミュニティと共に日本市場向けの観光事業を発展させていく過程を追跡する。結論として,本研究は,JTBハワイの行動には,①経済的価値と社会的価値を共創しようとする2方向の形成過程があること,②独自の事業が地域全体の観光事業の基盤として拡大し,定着していったこと,③民間企業の生き残り策が公的サービス組織を生み出したことを提示する。
<英語論文>
ーTriangulation in tourism research: A bibliometric study of top three tourism journalsー(2014)
観光論文は論文の中のごく1部です。この計量書誌学的研究では、2003年から調査結果は、上位3ジャーナルに発表された研究論文の大部分(70.3%)で、著者が三角測量に頼らず、データ収集に1つの方法しか使用していないことを示しています。調査結果は、業界の専門家や学者(著者とレフェリーの両方)だけでなく、ジャーナルの編集者、出版社、研究助成機関、公共政策立案者など、さまざまな関係者にも影響を与えます。
<書籍>
ーデービッド・アトキンソン 新・観光立国論ー
本書は、21世紀の「所得倍増計画」の提言です。少子化が経済の足を引っ張る日本。出生率は、すぐには上がりません。移民政策は、なかなか受け入れられません。ならば、外国人観光客をたくさん呼んで、お金を落としてもらえばいいのです。この国には、【世界有数の観光大国】になれる、潜在力があるのですから。ですが、2014年の訪日客数は1300万人程度です。日本ほどのポテンシャルをもつ国としては、驚くほど少ない数と言わざるをえません。日本の潜在力と世界の観光産業の隆盛を考えれば、2030年までに8200万人を招致することも、決して不可能ではありません。
それを成し遂げることで、日本経済には「第2の高度成長期」が訪れるのです。
最新記事
すべて表示・日本語論文 岡野ら(2019)「観光地への愛着に与える滞在中の経験」日本観光研究学会機関誌Vol. 30 / No. 1 《要旨》 日本の人口は2008年をピークに減少傾向にある。観光客も1990年までは上昇傾向だったが、それ以降は停滞している。観光客誘致のためには初めて...
[書籍] 村岡慶輔(2021)”観光再生-サステイナブルな地域をつくる28のキーワード-” ・要旨 移動制限や、訪日観光客が99%減少した日本の観光業がこれからどのような観光スタイルを貫くのか。観光再生するためのヒントや実例が事細かに説明され紹介されている。DX化を進める観...
【書籍】 みなかみイノベーション ー群馬県みなかみ町に見る中山間地の地域創生ー】 著者:鈴木誠二 2017年10月発行 〈要約〉 本書は、著者が群馬県みなかみ町で取り組んだ「地域イノベーション」(題して「みなかみイノベーション」)について書かれている。「みなかみイノベーショ...
コメント