2022 4
CHJ 書籍
『世界一訪れたい日本のつくり方』
著者 デービット・アトキンソン 2017 7/7
この作品は新・観光立国論の続編であった。私は前編を読まずして本作を読んだわけだが、それでもそれなりに理解はできた。この作品には前作からの比較と今後戦略的に実行していく必要がある点がまとめられている。 日本の観光戦略に欠けている点は「誰に、何を、どのように」アピールするのかということである。 つまりは外国人に対してのアピールが不可欠なのである。昨今のこの思考の欠如は、観光業界が昭和時代の、量を追求する国内観光に対応し、客層を考慮せずに、一定のサービスを一定の価格で大量に供給する方法での成功を経験していたために起こったと記されている。観光大国に必要なものは自然、気候、文化、食だが、日本にはこの要素が全て詰まっておりポテンシャルがある。日本に住んでいてこのように自慢はしたくないが事実である。それなのになかなかうまくいっていなくてもどかしいと感じる。現在、観光業界に求められているものは、観光客が求めるダイバーシティの確保であり、またそれをアピールする手法である。外国人に向けた観光情報発信は、日本人的視点のおしつけになっているという点は今後改善すべきである。
自然・文化・食・そして気候をどこに情報発信するかという問題。国策として日本が真に取り組むべきが、観光であることを声高に伝える一冊であった。
観光客が何を求めているかを考えることが観光資源になるという、当たり前のことを今一度考えて見てはどうだろうかと考えさせられた。
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